今回はキューボックスについて書いてみます。
上手に使えれば、さらにレコーディングがしやすくなりますし、
テイクも良くなります。
■キューボックスとは
ご存知の方も多いかと思いますが、まず、キューボックスとはどんなものかを説明します。
上の画像のような機材のことをキューボックスと呼びます。
メーカーや機種によって、扱えるチャンネル数が違ったり、
PANがついていたり、EQがついていたりしますが、
基本的には簡易的なミキサーと思ってもらって大丈夫です。
・主な使い方
1ch - Drum
2ch - Bass
3ch - Gt
4ch - Click
St - 2mix
ドラム、ベース、ギターでベーシックを録る時には、このように
使うことが多いかと思います。
プレイヤーそれぞれが、自分のプレイしやすいモニターバランスを
作るために、キューボックスを使用します。
■上手なモニターバランスの作り方
演奏しやすい、モニターしやすいモニターバランスの作り方に
ついて説明します。
まず、キューボックスの2mixのフェーダーを0db付近まで上げます。
次に、ヘッドホンのマスターボリュームを上げていきます。
ここでの2mixのバランスは、コントロールルーム側でエンジニアが作ります。
基本的にはフラットなバランスになっていることが多いかと思います。
これに、各チャンネルのフェーダーでを操作して、自分の聴きやすい
バランスを作っていきます。足りない音を足していくイメージが良いと思います。
ポイントとしては、ドラマーとベーシスト、ギタリストの演奏しやすい
ミックスバランスは違うということです。
ドラマーは、クリックと自分の演奏をメインに聞き、それに加えて
ベース、さらにギターというバランスがオススメです。
ドラムの音は直接演奏している音が大きいので、あまり上げなくても
聞こえます。
ベーシスト、ギタリストは、クリックは小さめにして、基本はドラムに合わせる
意識で演奏するのが良いでしょう。
せっかく同時に3人で録っているのに、他のメンバーの演奏を聞かないで
クリックに合わせている人がよくいますが、それなら別録りにした方が
効率的です。
(モニターバランスの話からはそれますが...)
クリックの話が出ましたが、プレイバックするときはクリックなし、もしくはクリックを小さめにして聴いてみることをオススメします。
いつもクリックに合わせてばかり聴いていると、クリックを外した時に足りない感じが出てしまったり、ヘッドホンからのクリック漏れにも気付きにくいです。
また、ドラム、ベース、ギターを一緒に録る大きな理由は、別々に録った場合よりも
バンドらしいグルーヴが出やすいということがあります。
部分的に少しはしったり、ためたりすることは、人間らしい部分でもあり、
そういうところでリスナーはぐっときたりもします。
(閑話休題)
ボーカル録りの場合には、リズム、ベースをしっかりと聞き、ギターや上物は
コード感が感じられる程度にします。
上物を大きくしてしまうと、声を無駄に張らないと聞こえにくくなり、
力んだ声になってしまいます。弱く歌っても声が聞こえるバランスが理想的です。
また、歌にはリバーブを足してもらうと歌いやすいこともあります。
また、ベースやボーカルのレコーディングでは、エンジニア側でコンプをかけて
録ったり、モニターすることがあります。プレイヤーによっては、コンプが
かかっていると演奏しにくいこともありますので、その場合はエンジニアに
相談して外してもらうようにしましょう。
■イヤホンでモニターする
スタジオで用意されるヘッドホンの音が馴染まなかったり、気持ちよく
演奏できない場合もあります。その時は、自分で聞き慣れたイヤホンを
持ち込んで使ってみましょう。
イヤホンはヘッドホンよりも直接音が聞こえやすく、クリックなどの
音漏れも少ないですので、特にドラマーさんにはオススメです。
ただし、耳への負担は大きいので、急激な大音量には特に注意が必要です。
■使わない時はボリュームを絞る
細かいやつと思われそうですが(笑)、これも意外と大事なところです。
例えば、3人でベーシックを録り終えてから、ドラムのパンチインをする時、
ヘッドホンから音がそのまま出ていると、
近くにあるマイクに漏れた音が収録されてしまいます。
特にクリックの漏れは一番気をつけたいところです。
■アンプ録りの時のポイント
ベースやギターのアンプをブースに入れて録るとき、アンプの音が
大きすぎて、キューボックスの音量を上げてもオケが聞こにくいことが
あります。
こういう時の対処法としては、演奏位置をスピーカーの直線上から外すと
聞こえやすくなります。
または、ヘッドとキャビが分かれている場合は、ヘッドをコントロールルームに
入れて、スピーカーケーブルでブースのキャビと繋ぐこともできます。
この場合は、スピーカーでもモニターできますし、爆音に悩まされること
もなくなるのでオススメです。
あとは、単純に音量を下げるのも良いと思います。
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