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マスタリングで気をつけるポイント

更新日:2020年9月16日


マスタリングとは

 

まず、マスタリングについて簡単に説明します。


マスタリングとは、ミックスダウンされた2mixの質感や音量感を整えて、リスナーに届ける最後の工程です。


よく料理に例えられますが、2mixは料理で、マスタリングはそのそれぞれの料理がより美味しく食べられるようにバランスを考えて配膳することに似ています。


ここで取りこぼしたノイズや何かしらのミスは、そのままリスナーに届けられてしまうので、客観的な視点が大切です。


主な工程としては、ノイズチェック、コンプやEQなどを使用しての音作り、曲間の調整、POSコードやISRCコードの入力、マスターの作成となります。


気をつけるポイント

 

今回はコード類の説明などはせず、音作りの面で気をつけるポイントを中心に書きます。


●不要なピークを抑える

曲中で一瞬だけ飛び抜けたピークがあると、コンプやリミッターをかけた時にそこで過剰反応してしまい不自然なサウンドになりやすいです。


具体的な処理として、アタックタイムを早くしたコンプで抑える、ピーキーな周波数をEQで抑える、または、倍音を付加する類のプラグイン(歪み)でピークを丸めるなどの方法があります。私がよく使用するのはSoftube Harmonics、fabfilter Suturn2、iZotope Ozoneなどです。


●音の立体感を出す


なんとなくコンプでダイナミクスを抑えて、マキシマイザーでガツンと音圧を上げると、音が天井にぶつかってペラペラな音になりやすいです。バランスの良い2mixはマキシマイザーをかけるだけでも簡単に音圧は出ますが、それでもやはりそれだけでは潰れた感じになることもあります。


そうならないためには、キックやスネアの打点、ギターのピッキング、歌の立ち上がりのアタックを意識して、そのポイントを強調してやることで音の前後間や立体感が出ます。


EQで持ち上げる、アタックタイム中くらい〜遅めのコンプでアタックを抜けさせる、倍音を付加するなどの方法があります。


●ヘッドホンでノイズを確認する


リップノイズやサウンドノイズなどは、スピーカーよりもヘッドホンの方が分かりやすい場合が多いので、チェックにはヘッドホンの使用をおすすめします。


また、ノイズを見つけたらRXなどで処理しますが、曲全体にではなく、ピンポイントで処理します。ノイズ処理プラグインは便利ですが、時としてサウンドのおいしい部分も取ってしまいます。


●超低域、超高域の処理に気をつける


30Hz以下や16kHz以上などに不要な音が入りすぎていないかチェックしましょう。ミックスで処理仕切れていない場合があります。反対に、狙って入れている場合は安易にカットすることは避けましょう。


このあたりの帯域をきれいに鳴らせるスピーカーで聴くリスナーばかりではないので、スマホやイヤホンなどで聴いても、曲中の大事なサウンドが鳴りやすいように、100Hz〜10kHzを中心に音作りするのが良いと思います。


近年は超低域がしっかりと鳴っている作品が多くなっている印象です。音数の多いバンドサウンドではなく、音数の少ないR&B、HipHop寄りのサウンドがメインストリームに多いことも影響しているように思います。


●配信やCDなどの媒体に合わせたラウドネス値


CDの場合は0dBギリギリまで音を入れても問題ないですが、配信、ストリーミングの場合は媒体に合わせたラウドネスレベルを踏まえて最終レベルの調整をします。


ラウドネスノーマライゼーションについては、最近SNSでもよく話題に上がっていますが、簡単に説明すると大き過ぎる音を基準レベルまで下げる機能のことです。


そのため、CDレベルの高い音圧を入れている場合、YouTubeやApple Musicなどではそれぞれの基準ラウドネス値に下げられてしまうため、ダイナミクスが小さい音源となってしまいます。


マスタリングではCD用、配信用など、それぞれに最適なバージョンを作成、納品する必要があります。


また、wavからアップローダーやサイト側で変換される際のことを考慮して、ピークレベルも-1.0dB前後は余裕を持ってマスターを作成することも必要です。


 

ミックスダウンでは、楽曲ごとの個性やカラーを立たせた音作りを行いますが、マスタリングではそこから一歩引いて、だれがどんなシチュエーションで聴いても最高なサウンドになることを目指します。


以上、マスタリングで気をつけるポイントについてでした。


ここではおおまかな説明しかしていませんので、もっと詳しく知りたい、勉強したいという方は個人レッスンも行っておりますので、こちらよりお気軽にお問い合わせください。



 

SHOGIN ENGINEERINGではオンラインミックスダウン、マスタリングをはじめ、レコーディング、ナレーションなどの整音作業、ピッチ補正、MVやトレイラー映像制作、楽曲アレンジ、ミックスダウンやマスタリングのプライベートレッスンなどを行っております。

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