さて、前回はリバーブのパタメーターなどの説明、リバーブタイプの違いなどを
ざっくりとですが解説しました。
今回は、具体的にリバーブをミックスの中でどのように使うのかを解説します。
●ドラムやギター、歌などを馴染ませたい
マルチレコーディングした音同士を、同じ空間で鳴っているように、自然に
馴染ませたい時は、ルーム系のリバーブを使用します。
特にボーカルやエレキギターはマイクの近くで音を録るので、空気感が少ないのでルームリバーブとの相性が良いです。
AUXトラックを立ち上げてリバーブをインサート、センドでこのトラックに送ります。
馴染ませる用途なので、高域が派手になる場合はEQでカットします。
トラックをソロで聞くとリバーブ感が分かるけれど、混ぜて聞けばリバーブ感も
目立たずに馴染んでいるぐらいのバランスが良いと思います。
●ボーカルをリッチに聴かせたい
ボーカルにはプレートリバーブがよく合います。タイム感は曲によりますが
早めの曲だと0.6〜1.4scあたり、遅い曲では1.8〜4.0msぐらいかと思います。
あまりリバーブ感を出したくない時は、PreDelayを入れることで
原音もしっかりと聞こえつつ、リバーブ感を出すことができます。
リバーブの高域を持ち上げてやると、さらにキラッとした感じが出ます。
プレートリバーブの低域はカットした方が、歌がスッキリと聞こえてオケの邪魔も
しません。
●音の奥行きを作りたい
音の前後感を作りたい時は、ホールリバーブを使います。
奥に置きたいトラックをセンドでホールリバーブに送ると、音が少し遠くなるのが
分かるかと思います。
リバーブタイムは曲のテンポ感によって調整します。
深くかけた時に、次のフレーズを邪魔する場合は、タイムを短くしたり、EQで中域を
削ることで解消できることがあります。
基本的に、前に出したい音にはリバーブはあまりかけない。
→ボーカル、キック、ベースなど
奥に置きたいパートには、ルームやホールで奥行きを出す。
→ギター、ストリングス、パッドなど
いくらリバーブをかけてもリバーブ感が分かりにくい場合は、
リバーブを見えやすくしてあげることが必要です。
各トラックのEQなどで低域をカットしてリバーブのテイルを見えやすくしたり、
高域を持ち上げる、また、リバーブ音に対してコンプをかけたり、
軽く歪ませるのも効果があります。
それでも見えない場合は、アレンジを見直すことも必要かもしれません。
また、音の前後感はリバーブだけでなく、ディレイも併用したり、
EQでも奥行きを作れます。
近くの音は、低域も高域もしっかり聴こえて、遠くの音は、
低域も高域も少なくなります。
がむしゃらにリバーブを深くする前に、
トラックの音作りも合わせてコントロールしましょう。
また、少し裏技的な奥行きの作り方として、IR(インパルスレスポンス)系の
ルームリバーブをインサートして、Wet 2~5%ほどのバランスでかけます。
自然に、ほんの少しだけ音が後ろにいった感じがすると思います。
他のオケと一緒に鳴らしてみて、Wetバランスを調整してみてください。
始めはパタメーターも難しく感じるかもしれませんが、自分でいろいろといじっているうちに効果がわかってくると思います。
ここでは触れる程度にしか書いていませんが、まだまだ曲によって、用途によって、使い方やテクニックもたくさんありますので、自分なりの使い方を見つけていくヒントになれば
と思います。
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