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knit cap マルチトラックデータミックス解説 #4 ウワモノトラックの音作り

更新日:2019年12月18日

こんにちは。レコーディングエンジニアの原です。 前回はボーカル、ドラム、ベースの処理について書きました。

今回も引き続き、ミックスダウン解説ブログ第3回目となります。

 

各記事へのリンクはこちらから↓↓

knit cap マルチトラックデータミックス解説 Link #1 楽曲、ミュージシャン、機材紹介 #2 各素材について

#4 ウワモノトラックの音作り

 

それでは、パーカッショントラックを見ていきましょう。

今回はタンバリンはほぼセンター、二つのシェイカーは軽く左右に振りました。 それぞれのトラックで軽くBF-76を入れて叩いたあと、バストラックを作って3つまとめて 処理しました。

<パーカッションバス>

ここでもVCC、A-800を通して質感を作り、H-Compでアタックを抑えて後ろに置き、HARRISON 32Cでローカットとピークを作ってます。

それぞれルーム、テンポディレイに送って全体を馴染ませました。

 

次は、曲全体を通して鳴っているピアノトラックの処理についてから始めます。

まず、今回は音色違いの2つのピアノトラックがあります。ややふくよかなものと、中域が心地よいものの二つをブレンドして音を作ります。今回は6:4くらいでふくよかな方のピアノを大きく出してます。

この2種類のピアノを一つのステレオバスにまとめて処理します。

<ピアノ>

VMR FG-76、A800、Fairchild 670、MANLEY MASSIVE PASSIVEの順に通してます。


クリア過ぎたので少し質感を加えて、670でコンプレッションさせつつ、EQでアタック感を出しました。歌の邪魔をしないように、オケの中心となるようにバランスを整えています。


ピアノはルーム、プレート、ホールの各リバーブにセンドで送ります。

 

ここまでボーカル、ドラム、ベース、ピアノと進めてきました。トラックに対して処理していく時には、ソロにしても確認しつつ、全体を鳴らしながら進めていきましょう。


作ってきた音全体、それにまだ処理していないギターなどのトラックも鳴らして、今行っている処理と、これからどうしていくかも常に頭に置きながら行います。

改めて全体を聴いてみると調整したいポイントも出てくると思います。

 

次に、アコースティックギターに進みます。


アコギはアルペジオとストロークでトラックを分けて処理しました。こうすることで、オーバーコンプを防ぎ、両方のおいしい帯域をそれぞれに出すことが出来ます。

<アコースティックギター>


アルペジオ

ストローク

アコギバス

アルペジオとストロークで少しプッシュするポイントが変わってます。この二つのトラックをまとめたバストラックでA-800で質感を整え、BAX EQで微調整しています。

それぞれのトラックをルーム、プレートのリバーブへ送り、アルペジオのみテンポディレイにも送ります。

 

次はエレキギターに移ります。

今回はバッキングで1パートとソロパートの2トラックありますので、それぞれで処理しつつ、バスにまとめてA-800のみ通しました。

<バッキングギター>

LA-3Aで軽くコンプレッションさせて奥に置き、TRIDENT A-RANGEでエッジ感を強調してます。中低域はピアノとアコギに譲り、エッジ感のみ感じるようにしました。

<ソロギター>

LA-2Aで叩き、PULTEC MEQ-5で単音のラインを強調しました。最後にL1で少し圧を上げてます。 また、エレキギター用にリバーブとテープエコーを使っています。

<エレキギター用センド>

RE-201の質感はギターによく合います。専用のリバーブを立ち上げることで、ギターのアンプルーム感、存在感を出してます。

 

次はオルガンパートです。

<オルガン>

A-800で質感を作り、Fairchild 670で軽く叩いてます。HARRISON 32Cでローカットと 主張の強い硬い4Kあたりを抑えて、オケの後ろから包むようなイメージです。

センドでルーム、テンポディレイ、プレートに送っています。

 

部分的に出てくるメロトロンとシーケンスはまとめてバスに送り、軽く叩いて深めのリバーブ、テンポディレイをかけて奥に配置しました。

曲頭、曲終わりに出てくるSEには、iZotope Vinylでプチノイズとローファイ処理を入れました。

<SE>

最後に、ハーモニーパートです。

字ハモとウーアーハモに分けてバストラックを作って処理しています。

<字ハモ>

VMRですべて処理しています。

FG-73で歪ませて、エキサイター、コンプ、EQで調整しました。今回はボーカルの後ろにそっといる感じではなく、ボーカルメロの周りでしっかり華やかさを出すようなイメージで仕上げました。

<ウーアーハモ>

こちらも割としっかりめのコンプレッションさせて、エッジ感を強調してます。 間奏部分や間奏あけのコーラスの目立つパートで歌の邪魔をせずにしっかり聞こえるようにバランスを整えました。

また、コーラスパートはボーカルに合わせて声の伸び具合を調整したり、余計なブレスをカットしています。


 

ここまでで各トラックでの処理は完了しました。全体を聴きながら微調整して整えます。

次回はマスターバスでの処理についてとなります。

 

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